免疫チェックポイント阻害剤(理論上は夢の薬、現実は夢の薬ではない?)

August 4, 2016

7月30日、31日に神戸で開かれた臨床腫瘍学会の年総会と、教育セミナーBに参加してきました。

 

学会の年総会とは、1年に1回、全国のがんにかかわっている、医師、コメディカルが集まり、それぞれの研究を発表するのと、最新の研究内容の講演を聞くことが目的です。

 

がん薬物療法専門医は、がんを臓器別(例えば、胃がんの専門、肺がんの専門)ではなく、「すべてのがんをみれる専門医」ということで創設されたそうです。

教育セミナーは全臓器の、最近のがん診療の一般的な内容をその分野の専門の医師から講義をうけるというものです。朝、9時から、16時まで、昼も食事をしながら講義を聞くというびっしりとしたスケジュールでおこなわれます。

今年の話題は、やはり、免疫チェックポイント阻害剤でした。体の免疫ががんをやっつけるということは、以前から、わかっていましたが、今までは、それを利用する治療方法がありませんでした(私の知る限りで、少なくとも科学的に有効性が証明されたものは)。新しい、免疫チェックポイント阻害剤は、もともと体がもっているがんを攻撃する免疫力にブレーキをかけてしまう、PD-1というものを阻害することで、体の免疫ががんを攻撃できるというものです。2010年代になり、皮膚がんに承認され、肺がんにも適応が拡大されました。理論上は、がんがなおりうるともいえなくはありません。実際は、有効率は20%程度(効果がない人が80%程度いる)とのことでした。ただ、長期に効果が持続している方もあるとの報告もあり、従来の抗がん剤とは異なることも事実です。重篤な副作用、とくに、免疫をいじるので、自己免疫疾患、間質性肺炎などの副作用がでることがあり、経験豊富な医師のもとに、万全の態勢で治療する必要があります。非常に高額ですが、医師が適応があると判断すれば、保険が適応されます。その場合は、高額療養費が適応できます。高額療養費とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。70歳未満の方で、医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、「限度額適用認定証」を提示する方法が便利です。

開院したあとは、がん拠点病院と連携をしながら、少しでも、皆様の健康に役に立てるように頑張りますのでよろしくお願いします。

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