​糖尿病

糖尿病

​​糖尿病とは血液の中の糖の値が高くなる病気です。尿は血液を腎臓で濾過した液体ですので、血液の中の糖が高くなると、その結果として尿に糖がでるのです。

​血糖が高い状態が長く続くと、全身がいたんできます。とくに血管が痛みます。まず、細い血管から、そして大きな血管まで。血管がよくとおる臓器が結果として痛んできます。有名なのは、糖尿病腎症(腎臓が悪くなり、最悪は透析が必要になる)、末しょう神経障害(手足の感覚が鈍くなり、手足が壊疽することがある)、網膜障害(目の血管が痛み、最悪、失明することがある)です。

​血糖値が慢性的にあがる理由:膵臓からでるホルモンであるインスリンの効きが悪くなる、さらには、膵臓が弱り、インスリン自体の分泌がへることが、血糖があがる理由です。難しくなりますが、インスリンには、基礎分泌と、ついか分泌があります。インスリンは食事で血糖があがったときだけでなく、普段も血糖を一定に保つため、分泌されています。それを基礎分泌といいます。食事のあとにあがった血糖をさげるための分泌を追加分泌といいます。

糖尿病治療でよくでてくる用語

​​血糖値;血液のなかの糖の濃度です。単位はmg/dlです。血液1dl(100ml)の中に、ブドウ糖が何mgあるかという濃度になります。

​尿糖;血液中のブドウ糖(血糖)が尿中に漏れ出てきたものです。

HbA1C;血糖値は、食べればあがりますし、空腹なら下がります。ころころ変わるもので、長い目で病気がどれくらい悪いかということを示すのはなかなか難しです。そこで、あらわれたのが、グリコヘモグロビンの一種であるHbA1Cです。「グリコ」とは糖のことです。「ヘモグロビン」とは、赤血球の蛋白のことです。であるヘモグロビン(Hb)とブドウ糖(グリコ)が結合したものがグリコヘモグロビンです。このグリコヘモグロビンには何種類かあり、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)はそのひとつです。単位は%であらわします。長い間、糖がたくさん流れていると、血液が砂糖漬けになるというイメージでしょうか。

砂糖漬けのヘモグロビン(血液)が7%以上になると血管がいたんで、合併症をひきおこしやすくなります。

現在、糖尿病の治療はHbA1Cをめやすにおこなっています。合併症を予防するなら、HbA1C 7.0以下、正常をめざすなら、6.0以下とされています。

ちなみに血糖値に異常が全くない場合は、HbA1Cは5.4以下といわれています。HbA1C 5.5を超える人は、時々血糖が高いのかもしれません。

国民の5人に1人以上が患者かその予備軍と言われている糖尿病。近年、増加しています。日本人の食生活を見ると意外ですが、30年前と摂取カロリーは変わっていません。増えたのは車。歩かなくなったのが、糖尿病増加の原因なのかもしれませんね。


一度発症したら完治はしないものの、血糖値を正常レベルに保つことでコントロールが可能です。そのためには食事療法、運動療法が必要で、薬を使用することもあります。

糖尿病の食事療法

まず、目標接種カロリーを計算します。

標準体重(㎏)=身長(m)×身長(m)×22
 

       軽い仕事  25~30(kcal)

標準体重×  普通の仕事 30~35(kcal)=1日の総エネルギー量(kcal);目標値

       重い仕事  35~40(kcal)

 

ますは、簡単にできることから始めましょう。一番簡単なのは、たべる順番を意識することです。繊維分が多い、野菜を先に食べると、糖や脂肪が吸収されにくくなるといわれています。また、食べる速度も大事です。ゆっくり食べると血糖があがりづらくなります。どのような食品が、血糖値にどのような影響をおよぼすか、知っておくことも重要です。一般的に、炭水化物はすぐに血糖があがり、脂肪などはゆっくりと上がるとされています。

運動療法

血糖値は運動してエネルギーを使うことで下げることができます。血管もやわらかくなり、血圧もさがりますし、善玉コレステロールがふえるとの報告もあります。

生活習慣病の予防などの効果は、身体活動量(「身体活動の強さ」×「行った時間」の合計)の増加に従ってあがります。長期的には10分程度の歩行を1日に数回行なう程度でも健康上の効果が期待できます。家事、庭仕事、通勤のための歩行などの日常生活活動、余暇に行なう趣味・レジャー活動や運動・スポーツなど、ちょっとしたことでも動くことが健康への近道です。
運動療法の単位は「MET(Metabolic Equivalent)」という有酸素運動の運動強度を示す単位を使用します。×時間で、メッツ・時とします。

安静に座ったままテレビなどを観賞しているときを1METとします。目標は、強度が 3 メッツ以上の身体活動を 23 メッツ・時/週 20行うことです。具体的には、歩行又 はそれと同等以上の強度の身体活動を毎日 60 分行うとされています。

​ただ、日常の少しの動作でも、やらないよりやったほうがいいです。日常生活でもMETSを使います。すべての合計で考えます。

日常生活のメッツの目安です。

 基本動作       METS

 座っている      1.2

 食事をする      1.4

 立っている      2.5

 着替えをする     1.5

 シャワーを浴びる   4.2

  排便する      3.6

  歩く(時速3km)  2.0-3.0   

  歩く(時速5km)  4.5-5.0 

  坂道を上る(10°) 13.0

糖尿病の薬剤について

α-グルコシダーゼ阻害薬;食直前にのむお薬です。糖を分解させないようにして、腸からの吸収をおさえます。糖が、ブドウ糖にならずに、腸管をながれるので、おならがでたり、お腹がはったりします。低血糖時はブドウ糖を使います(ブドウ糖に分解されないため)

ビグアナイド薬;昔からあるお薬です。インスリン分泌を直接、促進させるわけでなく、インスリンが効きにくくなっている状態を改善させるお薬です。昔からあるお薬で、一時、乳酸アシドーシスの副作用から、使用が控えられてきた経緯がありますが、インスリン抵抗性の改善から、再評価されています。重を増やさないという特徴も極めて重要です。近年、大腸がんの予防に効果があるという研究もでてまいりました(わが国では、糖尿病にたいしてのみの使用です)。メトホルミン+ピオグリタゾンの合剤も近年、発売されております。

チアゾリジン薬 

チアゾリジン薬は、主に脂肪組織に働きかけて脂肪細胞から分泌されるインスリン抵抗性を引き起こす物質を減少させて血糖を下げる薬です。運動療法がきちんとできているのに良好な血糖コントロールが得られず、インスリン抵抗性による高血糖がみられる場合に用いられます。肥満と高インスリン血症がみられる2型糖尿病に効果的とされていますが、肥満でない人に用いても血糖を改善する効果がみられることもあります。他の糖尿病薬との併用がしやすい薬でもあります。ビグアナイド薬、スルホニル尿素薬、DPP-4阻害薬との合剤が発売されています。足がむくむなどの副作用がでる場合があります。

グリニド系薬剤

グリニド系薬剤は、インスリンの分泌をふやすお薬です(ビグアナイド薬はインスリンの効きをよくするお薬でした)スルホニルウレア系薬剤とあわせて考えましょう。グリニド系薬剤は基本は、インスリンの追加分泌を促進する薬剤です。作用時間が短く、生理的なインスリンの分泌に近いという特徴があります。食直前に飲む必要があります(αグルコシダーゼ阻害薬剤と同じですね)。ということで、αグルコシダーゼ阻害薬との合剤も発売されています。

スルホニル尿素薬

インスリンの基礎分泌をふやすお薬です。強力な血糖低下作用があります。デメリットは、糖尿病の方はただでさえ、長期てきに血糖が高い場合は、長年、無理をしてインスリンをだしている膵臓に、さらにむちをうつため、膵臓(のβ細胞)が疲弊して、インスリン分泌能が低下してしまうということです。一時的でも、血糖がさがれば、それで、膵臓が休息をとれ、一時的には、膵臓の機能は回復します。ですから、総合的に血糖をさげることが重要ですね。インスリンの自己分泌が増えることから、それまでは使われずに血液中にあふれていた糖が細胞内に取り込まれるようになったり、空腹感が強くなり、食事量がふえると、体重が増えやすくなります。

DPP-4阻害薬

新しい作用機序のお薬です。食事をたべるとインクレチンという消化ホルモンがでて、血糖をさげるお手伝いをします。DPP-4はインクレチンを分解しますので、DPP-4を阻害することで、インクレチンが分解されず、結果として、インスリン分泌が促進されます。インクレチンは、インクレチンは食事後などの高血糖時においてのみインスリン分泌を促します。インスリン濃度が低くなっている食事前などではインクレチンは分泌されません。低血糖の副作用が少ないお薬として、発売されています。現在は非常に多くの、DPP-4阻害薬が発売されています。基本は毎日のむものが多いですが、週1回のむだけでいいというお薬も発売されています。ビグアナイド薬、チアゾリジン薬との合剤が発売されており、今後、SGLT2阻害薬との合剤も発売されると予想されます。

GLP-1受容体作動薬

食事をとるとでるホルモンのひとつにGLP-1というものがあります。食事をするとGLP-1がでて、インスリン分泌を促進して、血糖をさげる(DPP-4阻害薬とにてますね)というものです。注射薬しがありません。現在は週に1回注射ですむものが発売されており、操作も簡単で、ご自身で簡単にやることができます(できるようになるまで指導いたしますが、比較的簡単で、痛みも少ない印象がございます)

​SGLT2阻害薬

SGLTは体内でグルコース(ブドウ糖)やナトリウムといった栄養分を細胞内に取り込む役割を担っています。SGLT2はSGLTの一種で、腎臓の近位尿細管という場所に限定的に存在していて、糖を細胞内に取り込む役割を担っています。そのSGLT2を阻害して、糖を尿にすててしまおうというのが、SGLT2阻害薬です。当然、尿に糖がでます。尿路感染、特に夏などは、脱水による脳梗塞などに注意が必要です。インスリンに依存しないため、低血糖は少ないとされますが、実際には、ゼロではありません。体重減少効果、血圧低下作用、脂質改善効果も期待できます。

インスリン製剤

​超速効型、速効型、配合溶解、混合型、中間型、持続溶解型などがあり、注射が簡単にできる、プレフィルド製剤が主体となっています。72時間効果が持続する製剤も発売されております。

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