高血圧症、高脂血症、高尿酸血症、がん

高血圧

血圧とは血液が血管の壁を押す力です。心臓がギュッと縮んで血液を送り出すときの血圧が「収縮期血圧」で、最高血圧、最大血圧、上の血圧などともいわれます。収縮した心臓が元にもどり、一番膨らんだときの血圧が「拡張期血圧」で、最低血圧、最小血圧、下の血圧などともいわれます。

高血圧症とは、くり返して測っても血圧が正常より高い場合をいいます。 くり返しの測定で診察室血圧で最高血圧が140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90mmHg以上であれば、高血圧と診断されます。高血圧を適切な治療をせずに放置しておくと、脳や心臓、腎臓、目などに重大な合併症を生じます。たとえば、脳の血管障害が進んで、脳梗塞などが起こります。さらに、全身に血液を送れなくなる心不全や冠状動脈に動脈硬化症が生じて、狭心症心筋梗塞を引き起こします血圧以外にも血管の病気のリスクが高い人は血圧をさらに低く維持する必要があります。

高血圧には自覚症状があまりありません。しかし、気をつけていれば、頭痛、頭重感、めまい、耳鳴りを感じることもあります。

血圧は、基本的に昼が高く夜に低いというリズムを繰り返しますが、そのなかでも、身体の状態を敏感に反映して、細かく上下しています。たとえば、身体を動かして作業しているとき血圧は上がりますし、歩行、食事、性交などでも上昇します。逆に睡眠中などでは血圧は下がります。

肉体的活動だけでなく、精神的な興奮、悲しみ、ストレスや不安などでも血圧は変化します。また、寒さや暑さなど、身体の外側のいろいろな環境も血圧を変動させる要因になります。高血圧はほとんどが、明らかな原因がない、本態性高血圧が多いです。本態性高血圧の成りたちについては、いろいろな説があって不明な点が多いのですが、環境からくる因子(環境因子)と遺伝からくる因子(遺伝因子)とが絡み合うことによって発症すると考えられています。環境因子とは、運動不足、ストレス、アルコールのとりすぎ、肥満、塩分のとりすぎなどです。遺伝因子は、ホルモン系や神経系(交感神経系)などの個人差とされています。

血圧の治療

血圧治療の目標値

血圧が高い人の血圧をどこまで下げればよいかという降圧目標については、血圧どれくらいの人が、どのような病気になるかを調べた多くの研究から、十分に血圧を下げた方が心臓発作、血管の病気が少なくなることがわかっており、その値は一般の方で140/90mmHg未満、糖尿病や腎臓がお悪い方では130/80mmHg未満(血圧が高いと、血管や、腎臓をいためるからだと思われます)、また、後期高齢者では、すでに血管が固くなっていることが多く、血圧を無理にさげるとふらつきなどの副作用がでます。そこで、150/90mmHg未満を降圧目標とし、血圧がさがっても問題が起きない場合は、140/90mmHg未満を最終的な降圧目標とすることがすすめられています。

この値は外来血圧(診察室血圧)での数値で、家庭血圧では外来血圧よりもそれぞれ5mmHgひいた値を降圧の目安にしています。そのときのみでなく、毎日の血圧をしるために、血圧手帳をつけることをお勧めしています。

 

​食事療法

1;塩分制限

高血圧の食事療法は食塩をいかに減らすかにつきます。日本人は、食塩を多くとる民族です。現在は、一日6g以下がすすめられていますが、工夫なしに行うと、かなり味気なくなります。美味しくたべるため、調理法、味付けに、いろいろな知恵がありますので、いくつか紹介します。

  • 干物などの塩蔵品や漬物・佃煮など、食塩を多く含む加工食品は控えましょう。

  • 煮物や汁物などは、天然のだしをきかせると塩分すくなくても美味しいです。

  • レモン・酢などの酸味やしいたけ・のりなどの風味がある食品を利用すると、うす味でもおいしく食べることができます。

  • めん類のつゆを、飲まないようにしましょう。

  • 食卓で使うしょうゆやソースなどの調味料は、上からかけるより、別皿でつけると量が減らせます。

  • 煮物などは、甘さをおさえると食塩も控えられます。

2;肥満予防ー糖尿病の食事療法を参照

3;栄養のバランス

主食、主菜(たんぱく質は血管を丈夫にします)をバランスよくとってください。

副菜(野菜、果物類)は、繊維分やミネラルが豊富に含まれています。とくに、カリウムは余分な塩を尿中にすてる手助けをするので、血圧をさげるのに有効です。腎臓が悪い場合は、カリウム自体が、尿にでなくなるため、カリウムを制限することがあります。

4;脂質

動物性脂肪はひかえめにして、植物性脂肪や魚油をとるようにしましょう。

運動療法

適度な運動は、血圧を下げる効果があります。高血圧に対する生活習慣の修正として、運動も効果があります。特にI度の高血圧(140~159/90~99mmHg)であれば、薬を使わずに、運動と食事だけで血圧を下げられることもあります。適度な運動は、血圧だけでなく、肥満、脂質異常症、糖尿病など生活習慣病全般に対しても良い影響を及ぼします。

​高血圧の薬物療法

様々な薬がありますが、副作用と臓器保護効果から選択します。

カルシウム拮抗薬

アンギオテンシン阻害薬

ARB

β遮断薬

α遮断/α2作動薬

​上記の配合剤

高脂血症

高脂血症で用いる用語解説
HDL(えいちでぃーえる)コレステロール(善玉)

「高比重リポたんぱく」と呼ばれ、全身の組織にある余分なコレステロールを取り込んで肝臓内に回収する働きがあり、動脈硬化を予防するため、LDL(悪玉)コレステロールとは逆に善玉コレステロールと呼ばれている。HDLコレステロールが減ると、未回収のコレステロールが増え、動脈硬化が進む原因となる。

LDL(えるでぃーえる)コレステロール(悪玉)

「低比重リポたんぱく」と呼ばれ、各臓器にコレステロールを運ぶ働きをしている。LDLコレステロールが増えると、余剰なコレステロールが血管の組織に蓄積してしまい、動脈硬化を引き起こす原因となるので「悪玉コレステロール」と呼ばれている。

中性脂肪

トリグリセライドともいわれ、脂質、糖質、炭水化物などから肝臓でも作られるが、食物中の脂肪(主としてトリグリセライド)から供給される。大部分は筋肉や心臓のエネルギー源として利用されるが、余ったものが皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられる。

 

高脂血症とは、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)やトリグリセライド(中性脂肪)が多くなりすぎている状態、またはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が少ない状態が続く病気です。

脂質異常症(高脂血症)をほうっておくと、血管の動脈硬化が少しずつ進んでいき、やがて心筋梗塞や脳卒中などの深刻な病気を引き起こしかねません。

脂質異常症の治療

食事療法

運動療法

薬物療法

LDLアフェレーシス

高尿酸血症

高尿酸血症は痛風になるばかりでなく、腎結石や動脈硬化の原因になります。尿酸値が7.0mg/dLを超えたら、まずは、食事や運動など生活習慣の見直しから始めます。高尿酸血症は、食生活の改善や適度な有酸素運動、ストレス発散などにより改善します。
しかし、すでに痛風発作や合併症がある場合や、尿酸値が9.0mg/dL以上の場合には薬物による治療が必要になることがあります。高尿酸血症は比較的若い方にも多い疾患です。

尿酸値は生活習慣と密接にかかわります。気がつかないうちに尿酸値を上げやすい生活をしているかもしれません。尿酸値を下げていくための生活習慣の見直しポイントをご紹介しますので、毎日の生活に取り入れてください。食事メニューや体重などを毎日記録しておくと役立ちます。生活習慣を改善しても尿酸値が下がらない場合には、薬物療法を検討します。

メタボリックシンドローム

「メタボリックシンドローム」は、「内臓脂肪症候群」とも呼ばれ、複数の病気や異常が重なっている状態を表します。どういう状態かというと、腸のまわり、または腹腔内にたまる「内臓脂肪の蓄積」によって、高血圧や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病の重なりが起こっていることを示しています。

そして、この状態は、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる動脈硬化を急速に進行させてしまいます。つまり、それぞれの病気の診断基準を満たさない“予備群”や“軽症”の状態であっても、それらが2つ3つと複数重なっている場合は、動脈硬化の進行予防という観点から“すぐに手を打たなければならない状態”として捉える、ということが「メタボリックシンドローム」の考え方なのです。

がん

「がんは遺伝子の病気なので、遺伝でがんになるかならないか決まって いるのではないか?」と疑問を抱く方がいるかもしれません。確かに、ご家 族に“がん無”より、ご家族に“がん有”のほうががんになりやすい 傾向があるようです。がんは、遺伝子に異常(変異)が起き、細胞が限りなく 増殖するようになってしまう細胞の塊のことをいいます。それでは、「どうし て、遺伝子に変異が起こるのでしょうか?」もともと正常な細胞の中に、がん を発生させる遺伝子が潜んでいて、これに外部からの刺激、環境要因が加わって、その蓄積で、がんが発生すると考えられています。家族に同じがん になった人がいるということは、遺伝的要因、すなわち体質的にがんに なりやすい共通点があるだけでなく、環境要因、すなわち家族が同じよう な生活習慣を共有しているためという可能性を示します。肺がんリスクに ついては、たとえば、家族の誰かが喫煙していると、他の家族もタバコの煙 を吸う機会(受動喫煙を含む)が多くなるかもしれません。

​近年は、がんに悪い生活習慣もある程度はわかってきました。まだ、証拠があるものは少ないですが、ある程度は、がんになりづらい生活習慣をおこなっていくことは可能と考えます。

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​名古屋市天白区にある咳,喘息など呼吸器アレルギー疾患を専門とするクリニックです。日進市、名東区からも便利なアクセスです。

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